2020年06月03日

真夜中の訪問者

「おい、玄関の鍵、閉めてないぞ」
父の声で目が覚めた。

そんなはずはない、絶対に。
寝る前に「戸締り用心、火の用心」してるから。
なぜか父は、私の部屋のもう一つのベッドに座っている。

寝ぼけ眼でとりあえず確認に行く。
「大丈夫だよ。お父さん」

戻ってきたら、父の姿はもうなかった。
右向いたり左向いたり、何回も寝返りを打つ。
珍しく眠れない。

フワフワした足で、2階のリビングへ上がる。
枯れてしまったラベンダー。
弾けなくなったハープ。

カーペットの上、ソファーの上、テーブルの上。
散らかっている、私の心。

冷蔵庫から麦茶を出して一杯。
パソコンが眩しすぎるよ。

お父さん、東京出張の時、
たびたび私のアパートへ泊りに来たよね。
娘がちゃんとやっているか心配で。

なんで私は、やさしくできなかったんだろうね。
あれほど愛されていながら。

最後に抱きしめたお父さんの体、細くて小さかった。

月の見えない夜。
ベランダで、ムーンウォークしようか。

ううん、お父さんと一緒に歌ったのは、
icon12icon12 「星影のワルツ」だったね。





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Posted by レイア at 03:20 │日々の出来事