2020年05月06日
牡丹が咲いたわよ
香川照之の 「おうちで、昆虫すごいぜ」 を見終わって、
お茶でもしようかと腰を上げたら、ケータイが鳴った。
「あ、しばらく。元気かしら?」 実家の前の家の奥さんだった。
「あ、どうも。ご無沙汰してます」 余計なことは言わない。
「突然ごめんね。牡丹が咲いたのよ。あの時もらった、2本とも」
「まあ、そうなんですか」
2年前、両親の3回忌を終えて実家の処分を始めた時、
次々と起こる問題に私は一人パニックになった。
家の中の片付けだけで精一杯。庭のことまでは頭が回らない。
そこへ前の家の奥さんが、
庭に重機が入る前にせめて牡丹だけでも、と言ってくれたのだ。
「きれいな色なの。嬉しいから早く知らせたくて」
「ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです」
母の育てた花が、よその家の庭に根を下ろし、再び花を咲かせる。
そのことをわざわざ知らせてくれる人がいる。
私たちが越してきたのは、1964年の春。
あそこで子供たちは大きくなり、
70年連れ添った父と母は、あの家で50年以上も暮らした。
ご近所さんとの繋がりを母はとても大事にしていた。
巣ごもりが続く雨の日にも、明るいニュースは届く。
次の日曜日はこのリビングに、季節の花を飾ってみようか。
お茶でもしようかと腰を上げたら、ケータイが鳴った。
「あ、しばらく。元気かしら?」 実家の前の家の奥さんだった。
「あ、どうも。ご無沙汰してます」 余計なことは言わない。
「突然ごめんね。牡丹が咲いたのよ。あの時もらった、2本とも」
「まあ、そうなんですか」
2年前、両親の3回忌を終えて実家の処分を始めた時、
次々と起こる問題に私は一人パニックになった。
家の中の片付けだけで精一杯。庭のことまでは頭が回らない。
そこへ前の家の奥さんが、
庭に重機が入る前にせめて牡丹だけでも、と言ってくれたのだ。
「きれいな色なの。嬉しいから早く知らせたくて」
「ありがとうございます。こちらこそ嬉しいです」
母の育てた花が、よその家の庭に根を下ろし、再び花を咲かせる。
そのことをわざわざ知らせてくれる人がいる。
私たちが越してきたのは、1964年の春。
あそこで子供たちは大きくなり、
70年連れ添った父と母は、あの家で50年以上も暮らした。
ご近所さんとの繋がりを母はとても大事にしていた。
巣ごもりが続く雨の日にも、明るいニュースは届く。
次の日曜日はこのリビングに、季節の花を飾ってみようか。
Posted by レイア at 12:06
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