おばちゃんは嫌われる
突然の電話から1時間後に、その人はやって来た。
バイクに乗って、お花を持って。
「あら、バラとラベンダー2つもいただけるの。嬉しいわ」
お店でお客様感謝デーを実施していても、
外出自粛もあってなかなかお客さんに来てもらえないとか。
この地区の担当でまだ一度も挨拶をしていないからと、
わざわざお花の鉢を持って訪問してくれたのだ。
「イトウさんね。よろしくお願いします。私、かなり細かくてうるさいわよ」
早速、おばちゃんの新人さんいびり?
「こないだATMで記帳したのね。ずっと銀行へも行けなくて何行もあったの。
それで新しい通帳に切り替わって出てきたら、センスのない普通版なのよ。
私ね、キャラクター通帳じゃなきゃイヤなの!!」
人と話すのは久しぶりだし、相手が若い男性だから止まらない。
「この普通版気に入らなくて、かわいいシールまで貼っちゃったわよ。
訳あって、某銀行さんの預金をほとんどお宅にスライドしたのね。
相続の時だって、担当の方に随分とお世話になったのよ。
だから、この通帳まだ1ページちょっとだけど、なんとかならない?」
よく見るとイトウさんの眉は、しっかりと手入れされている。
「明日、本屋さんへ行くついでにお宅へ寄るから」 これで決めた。
さて、
冷やしたノンアルにギョーザとかぼちゃの煮物。
貧しい夕食?
いや、これでも、まずまずです。
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